米国公認会計士受験体験記 手続・受験編    (2011/07/25更新)

 2010年7月から2011年4月にかけて、USCPA(米国公認会計士)の試験をグアムで受け、幸いにして全科目の合格を果たせました。
 試験の手続および受験の様子について、自分の備忘録のために記録しておいたものがベースとなっておりますが、これから受験を予定されている方々のご参考にしていただけることを意識し、内容を加筆・修正してご紹介したいと思います。

経験した受験手続トラブル

 受験生は誰でも受験手続に関してトラブルに会いたくありません。一旦トラブルが生じると英語でやり取りしなければならない試験はなおさらです。私は不幸にも、この試験の手続で2回もトラブルに会ってしまいました。

1. 受験資格確認時のトラブル
 USCPA受験のためには一定の要件が求められます。この受験要件は米国の出願する州によって異なりますが、大学の卒業や一定の科目(会計科目、ビジネス関連科目)の一定以上の単位取得が定められております。米国以外の大学を卒業している場合、米国大学で取得する単位と同等であるかどうか、評価をしてもらわなければなりません。そのために卒業した日本の大学から大学卒業と取得単位の英文証明書を発行してもらい、米国の評価機関に送付するのですが、私の場合、卒業証明書はあるものの、取得単位の書類が入っていないと指摘されました。これらの書類は大学から入手した後、開封せずに送付するのですが、私の手元には予備のセットが残されており、封筒の内容物の一覧が封筒の表面に書かれ、封筒の厚みも重量も同じでしたので、間違いなく入っていたはずです。評価機関内で紛失されたと確信し、封筒の表面の記述と私のフォルダの中身を再度確認するように評価機関に求めましたが、それと同時に言い争うのは時間の無駄と判断して、大学から改めて書類を入手して送付した経緯がありました。

2. 受験料支払時のトラブル
 受験申請書を送付すると「Payment Coupon」というものが送られてきて、事前に受験料の支払をオンラインですることになるのですが、氏名や生年月日等を申請書通りに入力しても、「相当する申請書が見つからない」というメッセージが出て、受験料を支払えないという状況に陥りました。会計士協会や受験手続請負機関(NASBA)に問い合わせましたら、「NASBAのあるテネシー州で洪水が起き、NASBAは機能していないので、トラブルはそのためだろう」という返事を会計士協会からもらいました。NASBAは生きるか死ぬかという災害に巻き込まれている最中でしたので、受験料支払トラブルを調査する催促はせずに、しばらく様子を見ることにしました。10日ほどしてNASBAの機能が完全復旧したことがホームページに表示されましたので、改めてログインを試みましたが、状況は変わりません。改めて問合せを行ない、「調査する」とだけ返事をもらいましたが、相変わらずログインできない状況が続きました。自分でもいろいろ試し、名字と名前を逆にしてみたところ、ログインできることが分かりました。急いで会計士協会に連絡して入力データを訂正してもらったのですが、この間3週間近く時間を無駄にしてしまいました。このトラブルのおかげで受験しようとしていた科目(FAR)の受験予約が取れなくなってしまい、やむなくREGに科目変更したという経緯がありました。結局この科目は準備が間に合わず(シミュレーション問題の検討に着手できなかった)、2011年から内容が大きく変更されるBECに専念することを受験1週間前に決断し、REGは受験はしたものの苦杯を舐めました。

試験会場

 4回に分かれるテストウィンドウにおいて、試験会場の予約が取りやすいのは前半月(たとえば2月ではなく1月)です。前半月に受験しますと、1.5ヵ月ほど後に試験結果が判明して不幸にも落ちてしまった場合、すぐに再受験申請すれば次のウィンドウの前半月で予約がとれる可能性が高いと思います。受験が後半月ですと、タイミング的には次のウィンドウの後半月に受験可能となりますが、予約が先に埋まる後半月に自分の都合のよい日時にこのタイミングで予約することは難しいでしょう。たとえば、1月受験し、3月中旬に結果判明、不幸にして不合格の場合直ちに受験申請、3月下旬NTS入手・受験予約、4月再受験というスケジュールです。このような受験サイクルを継続することは、最後まで残ってしまった科目については、受験後合否が判明していない期間でも学習を継続しなければ次の受験に間に合いませんが、最初の合格科目が出てから18カ月の間に全ての科目に合格しなければならないことを考えると、効率のよいウィンドウの前半月で受験することを私はお薦めします。

7月受験時:
 試験会場には遅くとも試験開始30分前に到着するように受験票(NTS)には書かれております。試験会場に到着しましたらすぐに受付でNTSとパスポートを提示し、ロッカーの鍵を受け取って受験者リストに時刻、ロッカー番号を記述しサインをします。NTSに書かれている第2のIDであるクレジットカードを提示しようとしましたが、はっきり「要らない」といわれました。クレジットカードの盗難や紛失というトラブルが起きて、手続を見直したのかもしれません。
 ロッカーは小型ですが、底面積はA4ファイルが充分に置ける大きさで、多くの人が持ち込む通常サイズのデイパックが入ります。扉の開閉が少し特殊で、開け方が分からない人がおり、質問している場面を見かけました。取っ手を右斜め上に押すと開きます。鍵は扉に刺して開閉するようなものではなく、南京錠が使われています。底面積は同じですが高さが少し大きめのロッカーも4つあります。
 試験開始30分前までは待合用の椅子に腰かけて待ちます。椅子は27席用意されていますが、試験開始が午後の場合は一杯にはならず、多くても7~8人が座っている状況でした。朝は多くの人がほぼ同時刻に集まるのでしょうから、結構一杯になるのだと思います。待っている人のほとんどは東洋人(おそらく日本人、韓国人、中国人)で、2回の試験の間に現地の人と思われる受験生を一人だけ見かけました。
 試験開始30分前になると名前が呼ばれますので、参考書や財布、ハンカチなども含めてロッカーに預け、ポケットの中を空にして(口頭で確認されます)NTSとパスポート、ロッカーの鍵だけ持って入室します。

11月、1月、4月受験時:
 試験会場については7月受験時と何も変わっておりません。2011年8月から日本国内のUSCPAの受験が可能になりますので、すでにグアムでの日本人受験生は減り始めているように感じました。8時試験開始の際に、集まった多くの受験生の名前が呼ばれ、準備をするように促されますが、私の前に試験ルームに入室した10名以上の受験生の中でその名前から日本人と判断できる人は3人程度でした。一番多いのは韓国人もしくは中国人のようです。
 4月受験時は受験者数の減少が顕著であると感じました。11時過ぎに開始となったAUD試験では、PC受験ルームに入室した際に周りを見渡すと、席の約半分が空席となっており、終了は15時15分でしたが私がPC受験ルームを退出した最後の受験生でした。

試験

7月受験時:
 試験の行なわれるPCルームに入室する前に、NTS、パスポート、ロッカーの鍵を持って入室した部屋で、指紋採取や写真撮影(メガネを外すように言われます)が行なわれます。これが済むと消しゴム付きの鉛筆2本とA4(レターサイズ?)の冊子のような形状のメモ用紙が渡されます。NTSに書かれているLaunch Code(Password)をメモ用紙の右上に書きとめるように指示され、受付のリストとは別のリストに入室時刻とサインが求められます。NTSは一旦ここで預けます。これが終わるといよいよPCが並んでいる部屋に案内され、入口を入ったところで待つように言われます。周りを見渡すと、ほとんど全てのPCの前に受験生が座って問題を解いておりました。案内人がPCの開始画面を出すと、呼ばれて着席するように促されます。PCの画面には先程撮影された写真および受験科目と氏名が表示されておりますので、自分が利用すべきPCであることを確認し、「Continue」ボタンを押します。画面が変わってメモ用紙に書いたLaunch Code(Password)を入力すると、インストラクション画面が表示されて試験開始となります。この間せいぜい約10分程度ですので、私の場合13:00予約でも事実上12:40頃から試験開始になったと思います。事故などの事情で、試験開始30分前までに会場に到着できそうにない場合でも、まだ時間的な余裕はありそうですので、諦めることなく、また精神的にも乱されることなく、落ち着いて試験会場に向かわれるとよろしいと思います。

 良く話題になる室温ですが、25℃程度と感じられ、私にとってはそれほど寒いとは思いませんでした(エアコンの吹出口の場所にもよると思います)。一応入室直前に薄手のトレーナーをTシャツの上から着ましたが、腕まくりをして受験して暑くも寒くもありませんでした。1日目はジーンズに靴下をはいてスニーカーで受験し、2日目は半ズボンに素足のサンダルで受験しましたが、2日間とも寒さは感じませんでした。

 試験の内容そのものについては守秘義務がありますので、お話しできません。

 各テストレットの終了時に「Quit Exam」、「Preview」、「Continue」のボタンのある画面が表示されます。全てのテストレットが終了するまでは「Quit Exam」ボタンを決して押してはいけないのですが、BEC受験の際、すべてのテストレットを終了した時点で数分の余裕がありましたので、このボタンを押してみました。「Quit Exam」を押すと警告画面が表示され、「Yes」ボタンを押すとさらに警告画面が表示されます。再度「Yes」ボタンを押すと3度目の「最終警告画面」が表示されます。私はここでタイムアップとなってしまったのですが、3度も警告画面が出ますので、このボタンにそれほど神経質になる必要はないことが分かりました。

 試験が終了するとアンケートがPC画面に表示されます。全部で19問ですが、「試験会場で踏まれるべき手続きが踏まれたかどうか」、「試験会場における様々な対応や設備の満足度」、「申込手続の満足度」などの質問にYES/NO、選択肢選択もしくは5段階評価で応えることが求められます。通常であれば一つだけ「NO」で応える質問があったと記憶しています(受験中のトラブルに関する質問)。

 アンケート調査が終了すると退室しますが、PCの並んでいる部屋から出たところで、鉛筆とメモ用紙を返却して預けていたNTSを受け取り、改めて指紋採取(照合)が行なわれ、退室時刻を記入してサインをすれば待合の部屋に戻れます。ここでロッカーから所持品を出し、ロッカーの鍵を返却すれば全て終了となります。

11月受験時:
 基本的に7月受験時と変わっておりませんが、エアコンの設定温度が若干上がったのではないかと感じます。

 今回A&Aを受験した際に途中で休憩をとってみましたので、その様子をお知らせしておきます。テストレットの途中で休憩を取るかどうか選択する画面が出ますが、ここで休憩を選択してパスポートとロッカーのカギを持って部屋を出ますが、その際に指紋採取をされて退室時刻を記述します。休憩は最長10分間と言われた気がします。建物内のトイレを利用するためには、洗面所入り口の扉でセットする暗証番号が必要になります。この暗証番号は試験会場の受付わきの掲示板に書かれております。再入室する際にも再度ズボンのポケット等に何も入っていないことを確認され、指紋採取によって本人確認がなされて再入室時刻を記述します。試験ルームに再入室し、パソコンに戻って試験再開となりますが、セキュリティをきちんと確保していることが分かりました。

1月、4月受験時:
 試験内容が変更になって初めての試験でしたが、余り違和感は感じませんでした。TBS問題は平均的に問題文が短くなりましたので、日本人受験生には歓迎すべき変更だったのではないかと思います。1月にREG、4月にAUDを受験しましたが、Written Communication(WC問題)がなくなったので、私にとっては気がかなり楽になりました。


受験直後の感触と試験結果

2010年7月受験時:
 REG:不合格
 受験直後の感触は、合格点にどれくらい近付いたかなど考えられないほど、悪いものでした。これは準備不足がたたっております。試験結果もその通りのものでした。

 BEC:合格
 受験直後の感触は大変良く、高得点での合格が期待できました。しかし、試験結果は合格であったものの、期待していたほどスコアは伸びておりませんでした。

2010年11月受験時:
 FAR:合格
 リサーチ問題は2問とも白紙(時間不足で捨てました)、最後のテストレットの最後の小問題に着手したところで時間切れとなりました。特に時間切れとなった最後の問題は解けそうでしたので、残念な気持ちが強く残りました。MC問題は難しいと感じた問題が少なからずあり、多くは正答に至っていないと感じておりました。従いまして、受験直後の感触は悪く、さらなる学習と解答スピードアップが今後の課題と考え、受験直後から再学習を開始していたほどでした。しかし、結果は予想に反して合格となり、これは大変意外な結果と感じております。

 AUD:不合格
 順調に解答が進み、リサーチ問題もおそらく正解、時間的に余裕を持って終了となりましたので、受験直後の感触は比較的良いものでした。しかし、結果は善戦したものの、期待に反して不合格となりました。不合格科目については分野別のスコアが分かりますが、あまり自信のなかったWritten Communicationが最も高得点だったのは意外でした。

2011年1月受験時:
 REG:合格
 試験内容が変わって初めての試験でしたが、私が利用しているテキストにはほとんど触れられていない論点の問題が出題されるなど、難しかったと感じました。最後の問題も時間切れのため、あてずっぽうに解答しておりますので、受験直後の感触は決して良いわけではありませんでした。しかし、結果はかなり余裕を持って合格となりました。

2011年4月受験時:
 AUD:合格
 テストレット1から2へ進んで難易度の高い問題が多くなったと感じ、テストレット3でも難易度が高い問題が多いと感じました。約2時間経過後に最後のテストレットのTBS(シミュレーション)問題に着手できましたので、比較的順調であったと思います。時間が余りましたので、計算問題の検算までしてきました。従いまして試験後の感触は良いのですが、私の場合、感触が良いと結果が悪いので、一抹の不安が残りました。結果として、7月初旬に郵便で受け取ったスコアで、少し余裕を持って合格できたことが分かりました。


 スコアリリースの時期ですが、受験後のNASBAからのメールと関連情報によりますと、次の通りです。

2010年まで:
 テストウィンドウ終了前2週間と終了後3週間の2回に分けて行なわれました。

2011年第1テストウィンドウ~第3テストウィンドウ:
 テストウィンドウ終了翌月の7日ある第3週の初めから数えて7日~10日後(3月下旬、6月下旬、9月下旬と考えておけばOK)。
 グアム準州出願の場合、郵便でスコアが届きます。私の場合、4月11日と7月4日に届きました。

2011年第4テストウィンドウ以降:
 2010年よりもっと迅速かつ頻繁にリリース。

 受験直後の感触と試験結果が一致しないのは、採点対象になっていない比較的難しく感じる目新しい問題が含まれているのがその原因と考えておりましたが、2011年1月にAICPAは試験のスコアについて「How Is the CPA Exam Scored?」という文書を公表しております(AICPAのウェブサイトを探してみてください)。それによるとAICPAは解答した問題の難易度に応じてスコアを調整し、その際に偏差値評価しているように感じます。また、Written Communicationは機械(コンピュータ)採点が行なわれ、合格ボーダーラインの答案は人のレビューが行なわれています。ということは文法的に正しく、適度の分量が書かれており、事前に定められたキーワードが入っていれば、内容的に少々誤っていても機械採点で高得点が期待できるということでしょうか。11月受験の不合格であったAUDのWCが高得点だったのは、この機械採点のおかげだったように感じます。

 REGの試験結果を受け取ってその感触を強くしたのですが、充分な時間をかけて準備し、自信満々で受験した方は別として、限られた時間で準備した受験生にとっては「準備で使った問題集より難しかったので、自信がない」と感じられたときに合格圏内に入ったと言ってよろしいようです。複数のテストレットに分かれているMC問題は正答率が高いと、次のテストレットには難易度の高い問題が多くなります。難易度が変わらない場合は正答率が低いわけですから、合格は望めません。過去の受験生から「受験直後に合格したかどうか確信が持てない試験」という趣旨の話しを聞いたことがありますが、多くの合格者の感じるところではないでしょうか。

日本国内受験およびライセンス取得について

 日本国内受験についてですが、2011年7月時点で、NASBAから公表されている日本国内受験に関する情報によりますと、出願州によっては日本国内受験を認めていないところがあります。受験生に人気のあったメイン州とデラウェア州出願の場合は、日本国内受験できませんので注意が必要です。グアム準州は当初発表では含まれておりませんでしたが、最初の公表の数日後に追加されました。国内受験の場合、テストウィンドウの後半月しか受験できませんが、土曜日や日曜日も受験できる日があり、2011年7月時点で見る限り、8月の受験予約は容易なようです。

 日本国内受験は合格後3年以内にライセンスまで取得する宣誓をする必要があり、これが実現しない場合、制約が出てきます。アビタスが開催した日本国内受験の説明会において、上記の日本国内受験の場合の「3年以内のライセンス申請に関する制約」についても説明があり、質問もさせていただきました。それによりますと、合格者リストから削除されますが、その後のライセンス申請は可能ということでした。AICPAが開催した日本国内受験に関する説明会でもそのような説明だったようです。宣誓書の英文は「スコアが自動的に取り消され、それに対する権利や特権がなくなる」と書かれており、「ライセンス申請できなくなる」と私は解釈しましたので、一抹の不安が残ります。これに関し、この文書が掲載されていたNASBAに私個人も電子メールで質問しておりましたが、3週間以上経過したころになってようやく回答が来ました。しかし、私の疑問にズバリ回答いただいた内容ではなく、ただ単に「関係するホームページを参照しろ」というものでした。関連するページを見ましたが、扱いは出願州によって異なるということではないかと思います。よくよく考えれば、ライセンスの授与はAICPAが行なうのではなく、各州(の会計士協会?)が権限を持っておりますので、出願州によってこの制約の解釈が異なる可能性があります。改めて出願州のGuam board of accountancyに問い合わせたのですが、1ヵ月たっても返事がありません。再度問い合わせましたら、早速返事をいただきました。以下に回答を引用しておきます。

Dear Saitoh-San,
It is true that you can lose your exam scores if you do not apply for a license for 3 years.
I checked this. Let me know if I can help you with anything else.

Michele B. Santos
Asst. Executive Director/Licensing Admin
Guam Board of Accountancy
tel: 671-647-0813 x601
fax: 671-647-0816
email - licensing@guamboa.org

 これはかなり厳しい制約となります。少なくとも、グアム出願の場合、合格後3年を経過したら、ライセンス申請できないと考えておかなければならないようです。

 「日本国内受験の場合、さらにまずいことに本年(2011年)8月受験のスコアリリースは11月になる」とお伝えしておりましたが、ニュースソースはアビタスです。そのアビタスがNASBAと交渉してくれて、スコアリリースが10月に変更されたとのことです。米国内受験の場合は9月末にはスコアリリースが行なわれますが、このスコアリリース遅れの理由は分かりません。10月にスコアリリースしてくれれば、万が一不合格の場合でも11月再受験にギリギリ間に合いそうですが、希望する試験日に予約が取れるかどうかはわかりません。米国内受験ですと本年第4テストウィンドウからは、2010年よりも頻繁かつ迅速に行なわれる予定ですが、日本国内受験の場合のスコアリリース時期はまだ分かりません。合格済みの課目がある場合、日本国内受験は合格科目の期限切れに気を付けておかなければならないことには変わりありません。

 グアム出願の場合、一般的にはリタイアしたCPAのステータスであるInactive Lisenceというものがあり、これですと監査経験は求められないようですし、ライセンス取得後のCPE取得も義務付けられておりません。このライセンスを取得しておけば、上記のような制約から逃れられるかもしれませんが、私は国内受験する必要がなくなってしまいましたので、これ以上の問合せは控えようと思います。影響を受けられる方は、上記のSantosさんへ問い合わせてみてください。

 グアム出願の場合、コンサルティングの経験があれば、Inactive Lisenceではなく、Non-attest Lisenceというライセンスの取得ができます。私の場合、このライセンスを取得できそうですので、このNon-attestライセンスの取得に路線変更するか、勘案中です。

 「受験ツアー編」に書きましたが、グアムへの激安ツアーは2科目分の国内受験追加手数料と同じ程度ですので、日程的に可能であるなら、国内受験ではなく、上記のような制約の無いグアム受験も選択肢の一つとして考えておきましょう。

これからUSCPAを目指す方々へ

 受験勉強開始時に75%の正答率さえ達成すれば誰でも合格できると理解して私は挑戦し始めたのですが、過去の正答率をベースにして問題の難易度に応じた配点をしてはいるものの、科目合格率がかなり安定している(45%~50%)ことから、受験者全体の上位半数に入ることが求められる事実上の競争試験ではないかと感じます。

 仕事を持つ社会人の方は、特別に優秀な人は別ですが、一般的には全科目合格まで1.5~2年間のストイックな生活に耐える必要がありそうですし、受験指導機関に入学した人のうち、全科目合格までたどり着くのは6~7人に1人のようです。これからUSCPA挑戦を検討中の方は、科目合格率は比較的高いとはいえ、学習しなければならない範囲が大変広いこと、英語を母国語とする比較的高い知的レベルを持つ方々と競争しなければならないこと、とはいえ今までに数千人(?)の日本人合格者も輩出されていることをしっかり認識しましょう。

 USCPAの日本国内受験が本年8月以降に始まり、日程的には楽に受験できるようにはなりますが(費用的には1科目あたりの追加費用が約$300必要で、あまり楽にならない)、安易に考えることなく、また必要以上にひるむことなく、それなりの覚悟を持って最終判断されることをお薦めします。


 受験体験記は「学習編」、「手続・受験編」、グアムのホテルから受験会場までの交通手段も含めた「受験ツアー編」に分かれております。ご興味がわきましたらこれらの記事もご覧になってみてください。


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