バイク用ポータブルETC&ナビバッグ       (2009/07/04掲載)

私は38歳までナナハンに乗ってバイクを楽しんでおりましたが、タンクの内面からの錆びによりガソリンが漏れ始め、それを機に廃車してバイクを降りました。しかし、バイクを操る楽しみが忘れられず、子供に手がかからなくなったら、またバイクに乗りたいと以前から考えておりました。バイクの魅力は別の機会に譲るとして、次にバイクに乗るならETCとナビはぜひ装備しようとも考えておりました。

今年(2009年)に入ってETC付きで購入できるならという条件付きで、250ccのオフロード車を注文していたのですが、「ETC利用者限定の1000円高速道路乗り放題」の割引制度の人気沸騰で、ETCが入荷しません。バイク用の防水機能のあるETCは日本無線からしか発売されていないのです。1か月以上待っても販売店から連絡がないので諦め、しばらくはレンタルバイクでいろんな車種を楽しもうと路線変更しました。レンタルバイクでも大型のツアラーにはETC装備のものがあることはわかったのですが、数はとても少ないですし、ETC付きのオフロード車は皆無です。

今年のモーターサイクルショーに行った際に、ナビを入れられるタンクバッグが出品されていることを思い出し、レンタルバイクでも手軽にETCとナビが利用できるよう、これを使って「ポータブルETC&ナビ・バッグ」の試作に早速着手しました。

タンクバッグ、ETC、ナビの入手

まずは右の写真の品物を入手し、これを長時間駆動するためのバッテリー探しとなります。ETCはバイク用のモノが入手できないので、四輪車用のモノを試作では使っております。ナビの内蔵バッテリーは3.6V、1670mAh、6.1Whという仕様であり、これで3時間の連続使用が可能です。この仕様が入手すべきバッテリーの仕様のヒントとなります。
ナビはDVDやHDDのような可動部分のない、メモリー式の振動に強いものを選択しました。ナビのタッチパネルはナビバッグの透明ビニールを介して、グローブをしたまま操作が可能です。ナビそのものは防水仕様ではありませんが、少々の雨であればナビバッグに入っているので、問題ありませんし、かなりの雨量の場合はバッグ付属の防水カバーで何とかなると思います。最悪の場合はナビの使用を中止してジップロックのような防水ビニール袋に入れれば事足ります。
ETCはアンテナが一体型のものを選択し、余計な配線に悩ませられないようにしました。取扱い説明書には本体の設置角度などが細かく記述されていますが、結果としてそれほど厳密に従わなくとも動作には問題ないようです。私の利用したタンクバッグの内部にはネットでできたポケットがあり、ここにETCを入れますと、タンクバッグ内で暴れることなく、ほぼ固定できました。

バッテリーの入手(その1)

ナビの外部電源入力は5Vですが、ETCは12Vですので、購入したタンクバッグに収まる程度の大きさで、出力が12V、2000mAh程度の小型のシールド(密閉型)バッテリーを探しました。ナビ用には付属のシガーソケット12Vから5Vに変換するDC-DCコンバータをそのまま利用する計画です。
最初に見つけた電池はUPS(無停電電源装置)などに利用される古河電池製の鉛シールドバッテリーでした(ヤフオクで送料込\2,230)。充電器としてはすでに持っていたシールドバッテリー対応の車用のものを流用する予定でしたが、「これでは急速充電状態となりバッテリーを痛める恐れがある」と、メーカーからアドバイスいただきました。
メーカー推奨の13.65V±0.3V、0.1Aの20時間充電を実現できる充電器として、写真に写っているものを改めて購入しました(ヤフオクで送料込\3,261)。この充電器には「維持充電機能」というものがあり、仕様通りの電圧・電流が流せます。
ついでに、開放型バッテリーと密閉型バッテリーの充電仕様の違いをメーカーに尋ねましたら、基本的には電圧が異なるだけなのだそうです(開放型:15~16V、密閉型:最大14.8V)。

配線と持続時間計測(その1)

古河電池のバッテリーからETCとナビに電力を供給するための配線を自作し、動作継続時間を計測してみました。
結果はETCとナビの同時利用では約4時間、ナビだけであれば7時間程度持続することがわかりました。ナビに比べてETCの電力消費はかなり小さいだろうと予想していたのですが、見事期待は裏切られました。ETCはゲートを通過するときだけ電源ONになっていればOKですので、ETCに電源スイッチを設けて、電力を節約します。

バッテリーの入手(その2)

古河電池のバッテリーで7時間ナビを利用できるのですが、日帰りツーリングでも少々不足します(ナビの内蔵バッテリーも利用すると10時間利用できますが、内蔵バッテリー利用時は道案内のアナウンスが流れません)。また、鉛バッテリですので重量が結構ありますし(約700g)、泊りがけのツーリングでこの大きな充電器を持参するわけにもいきません。そこで、もう少し小さくて軽く、小型の充電器ですむ電池を探して見つけたのが右の写真のモノです(ヤフオクで送料込\3,320)。

持続時間計測(その2)

新たに入手した電池は防犯カメラ用のものであり、1800mAhの容量で、電源スイッチも付いています。早速このバッテリー用の配線を作り、持続時間を計測したのですが、ナビの利用だけでも3時間しか持続できません。仕様に偽りありといえるもので、全く期待はずれでした。ただ、この2つの電池で持続時間という点では、日帰りツーリングはほぼカバーできるようにはなりました。

DC-DCコンバータの小型化

ナビに付属していたシガーソケットに刺すタイプのDC-DCコンバータとその配線は大きく、最初から気になっていました。これをなんとかしたいと感じていたところ、100円ショップで携帯電話を車内で充電するためのものを見つけました。これに組み込まれているDC-DCコンバータで、ナビに必要な電流が流せるかわからなかったのですが、値段は315円ですので失敗しても惜しくはありません。

すっきりした配線

早速試したところ、立派にナビが動作し、異常な発熱もありません。秋葉原でこの回路を入れるピッタリのケースも見つかりましたので、配線周りがずいぶんとすっきりしました。
それにしても、カーナビメーカー純正のDC-DCコンバータがカタログ価格で\5,250に対し、100円ショップで手に入れたものが\315なのですが、この価格差をどう理解したらよいのでしょう。100円ショップで目玉になっているわけでもないこの商品を\315で販売し、どうやって利益を捻出しているのだろうと、ビジネス的にも興味が尽きません。

バッテリーの入手(その3)

古河電池のバッテリーの充電器問題(泊りがけツーリングに持参できないほど大きい)はまだ解決していませんでしたので、改めてバッテリーを探してみました。ナビ内蔵電池がリチウム・イオンバッテリーでしたので、このタイプのバッテリーで適当なものがないかインターネットで検索すると、4月に発売になったばかりの「MyBattery Book X」という商品名のバッテリーを見つけました。少々高価でしたので購入を躊躇しましたが(アマゾンで送料込\15,400)、モバイルPC用ということでしたので、仕事にも使えると考え、思い切って購入してみました。
なお、このバッテリーの購入後に思いついたのですが、ビデオカメラ付属のリチウム・イオンバッテリーを流用する手があるかもしれません。結構な大容量ですし、私はスペアバッテリーも持っていますので、電圧の問題がDC-DCコンバータで解決できるのであれば、検討の余地があります。互換バッテリーで構わないのであればロワジャパンから安価に購入可能です。

持続時間計測(その3)

このバッテリーの出力は19V、16V、12V、10.5V、5Vと5種類もあり、しかも必要な12Vと5Vが同時に出力できます。早速配線して持続時間を計測したところ、ナビだけで7時間を維持できました。しかし問題も残っていて、ナビへの電源プラグが邪魔をしてナビがタンクバッグに収まりません。小さいとはいえ、外付けの筒状DC-DCコンバータも使わなければなりません。

10.5VでETC駆動

このバッテリーの10.5V出力は外付けのDC-DCコンバータを必要としません。ETCが10.5Vで動作しないか試したところ、問題なく動作しました。L型の電源プラグとバッテリー側のUSB端子を購入し、短い電源コードも作りました。「これで完成、プロジェクト終了」と言えるレベルまで達したと思います。
これにノイズキャンセラー付きのカナル型ヘッドフォンを購入し、エンジン音や風切り音に邪魔されることなく、通常は音楽を聴き、ナビの案内が入る時は音楽がミュートされてアナウンスが流れるという理想的なツーリング環境が完成しました(ノイズキャンセル機能ですが、実際は高速道路ではON、林道などをのんびり走る時はOFFにし、音楽も止めて単気筒エンジンの鼓動感、周囲の緑の環境や自然の音、心地よい風切り音を楽しんでおります)。
ステーを使ってハンドルにナビを取り付けるケースと比較して、タンクバッグに装備されたナビを見るには視線の移動が大きくなります。しかし、私の場合、ナビ案内のアナウンスが聞こえさえすれば、運転中にナビの画面を見ることは頻繁にはありませんので、不自由は感じておりません。
ノイズキャンセル機能付きヘッドフォンの利用についてですが、その静寂性は遮音性の高い4輪車の車内の静寂性とあまり変わらないと感じますし、後方から追い越しをかけてくる緊急車両のサイレン音の聴き逃しを当初心配しましたが、今まで一度も聴き逃したことはありませんので、実用的には問題ないと考えております。4輪車でも同じですが、大音量で聴く音楽の方が弊害が大きいのではないでしょうか。

ETC付きバイクの購入

かくして「ポータブルETC&ナビバッグ」が完成したのですが、タイミング良くというか悪くというか、バイク販売店から連絡があり、ETC付きでオフロード車を販売できるという連絡をいただきました。しかも四輪用のETC助成制度は、予定数に達して4月末で終了となりましたが、二輪用は予定数にまだ達していないので、\15,750の助成金付きです。しばらくはレンタルバイクで楽しむことに路線変更したのですが、また路線変更です。結局、このタンクバッグ内のバッテリーからETCへ電力供給する必要はなくなりました。
でも、ここまで労力と費用を注ぎ込んだ「ポータブルETC&ナビバッグ」ですので、実際のETCゲートで動作を確認したくなりますよね。そこで1度だけ実際の高速道路で動作試験をしてみました。
結果はいかに。。。。
通過の際はドキドキでしたが、ゲートが一瞬躊躇したかのよう見えた後、何事もなく上がりました。
(やったね! チャンチャン!)

なお、上でご紹介した写真以外のものも含め、拡大写真はこちらでご覧いただけます。